柔道整復師とは

ほねつぎ・接骨師・整骨師として広く知られ、打撲、捻挫、挫傷(筋、腱の損傷)、骨折、脱臼等の負傷に施術をする国家資格を必要とする職業の正式名称です。

柔道整復師は、国が認定した学校、大学で専門知識を習得し、解剖学、生理学などの科目を内容とする国家試験に合格して取得できる国家資格です。

整骨院・接骨院を開業するほか、医療機関での勤務やスポーツトレーナーなどの分野でも活躍しています。また、機能訓練指導員として介護保険で活躍する人もいます。


柔道整復術とは

柔道整復術は日本古来の医術のひとつで、「柔術」を基本とする負傷を治療する技術として伝承されてきました。明治以降、この技術に東洋や西洋の医学技術を取り入れてさらなる発展を遂げてきました。平成16年(2004年)には、「柔道セラピー」は伝統医学の有効な治療法としてWHO(世界保健機関)に認知されました。

骨、関節、筋、腱、靭帯などの運動器に加わる急性、亜急性の原因によって発生する骨折、脱臼、捻挫、挫傷、打撲などの負傷に対して、整復・固定・後療を行う人間の持つ自然治癒力を最大限に発揮させる手技療法です。


柔道整復術の歴史

古くは、養宝律令に骨や関節の損傷に関する記載がされています。さらに、平安時代の古書には、「円融天皇の御代に接骨博士数名あり、各自特有の手法をもって接骨し・・・」と「接骨」の名称が記載されています。

平安時代に、貴族階級の人々だけが受けられる「ほねつぎ」の治療を庶民が受けることができるようになったのは、江戸時代に入ってからです。この時代、「ほねつぎ治療」は大いに発展し、高志鳳翼の「骨継療治重宝記」、二宮彦可の「正骨範」、華岡青州の「欄方位」等の「ほねつぎ治療」に関する書物が著わされています。

明治7年になると医制改革が行われ、漢方医や接骨医の身分が確立しました。しかし、急激な西欧化の流れの中で、逆に、明治27年の太政官令によって、「従来の接骨業」は廃止されることになってしまいました。

明治45年に柔術家を中心にした公認運動が起こりました。請願運動が実を結び、大正9年に発令された内務省令により接骨術が「柔道整復術」という名称で公認されました。さらに、昭和45年(1970年)に「柔道整復師法」が制定され、医療における柔道整復師の地位が確立しました。